海外情勢

米6年ぶりマイナス成長 年4.8%減、個人消費が急失速

 米商務省が29日発表した2020年1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、年率換算で前期比4・8%減と6年ぶりにマイナス成長となった。新型コロナウイルス感染拡大の悪影響で個人消費が7・6%減と急失速。設備投資や輸出入も大きく落ち込んだ。下落幅は市場予想(4・0%減前後)を上回り、深刻な景気悪化が浮き彫りになった。

 マイナス成長は14年1~3月期(1・1%減)以来となる。下落幅は金融危機「リーマン・ショック」時の08年10~12月期(8・4%減)以来の約11年ぶりの低水準だ。感染症対策の外出制限が経済活動を停滞させ、前期の2・1%増から急落した。

 米議会予算局は悪影響が一段と大きくなる4~6月期の成長率を39・6%減と予想している。史上最長となった米国の景気拡大期は10年あまりで途切れる見通しになった。

 米GDPの約7割を占める個人消費は7・6%減と1980年4~6月期(8・7%減)以来の下げ幅となった。自動車などの耐久消費財が16・1%減、サービスが10・2%減だった。

 企業の設備投資も8・6%減と悪化。輸出が8・7%減、輸入が15・3%減と軒並み下落した。

 昨年まで4%を割り込む低い水準が続いた米国の失業率は、今年4~6月期以降に10%を上回ると予測されている。(ワシントン 塩原永久)

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