海外情勢

アジアで徹底コロナ禍の社会的距離 ルール順守意識浸透、1席おきに「×」も (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、人と人との距離を保つ「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」を徹底する国がアジアで増えている。電車は1席空けて座り、エレベーターでは壁側を向く-。さらなる感染を防ぐため、ルールを守る意識が浸透してきた。

 客は割り込み自重

 フィリピンの首都マニラ。露店が並ぶ一角では、商品棚の前に木の棒を置いたり、ひもを張ったりして店員と客が近付かないようにしている。魚をさばいていた50代のエープリル・オンさんは「見回りの役人がうるさいから、その辺にあるものを使ったの」と笑った。

 政府はソーシャル・ディスタンスの徹底を呼び掛けている。マニラ中心部のスーパーは客の密集を避けるため、一度の入店を20人までに制限。店外に1メートルごとに椅子を置き、客が並ぶ際に距離を取る目印にした。警備員の女性は「普段は列にさりげなく割り込む人が多いけど、今回はトラブルもなく整然と待ってくれている」と話した。

 タイの首都バンコクでは高架鉄道BTSで乗客が隣り合わせにならないよう、1席おきにバツ印が付けられた。スワンナプーム国際空港のロビーの椅子でも同様だ。マンションやビルのエレベーターでは、壁に向かって立つことを促すため、目安として床に足形のシールが貼られている。

 1メートル以上義務付け

 シンガポール政府は3月下旬、他人と1メートル以上の距離を確保するよう義務付けた。政府は街中に約3000人の取締官を配置。悪質な違反者には最高1万シンガポールドル(約75万3000円)の罰金や禁錮刑を科すとし、7~14日に500人以上が300シンガポールドルの罰金を科された。

 7日から食料の買い出しなどを除く外出は原則禁止。店舗への一度の入店人数は、面積に応じて制限している。地下鉄やバスでも間隔を空けて座るよう求められている。

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