【ワシントン=黒瀬悦成】米政策研究機関スティムソン・センターの北朝鮮分析サイト「38ノース」は29日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の特別列車とみられる列車が29日現在、依然として東部元山(ウォンサン)の駅に停車しているとする、最新の商業衛星画像に基づく分析を発表した。
駅は金氏の一族専用。同サイトは、列車が21日と23に停車しているのが確認されたが、それ以降も動かずに停車していたかは不明としている。また、以前の画像で客車の最後尾の横に停車していた機関車の姿が確認できず、列車がただちに出発する兆候はみられないと分析した。
同サイトはまた、画像は重体説が伝えられた金氏の所在を特定したり、同氏の健康状態に関する手がかりを示したりするものではないと改めて指摘する一方、列車は金一族の専用車両であることから、金氏が元山に滞在しているとする複数の報道に説得力を与えているとした。
一方、北朝鮮専門サイト「NKニュース」は28日、元山で金氏らが使うレジャー船が稼働していることが確認されたとする、衛星画像に基づく情報を伝えた。
金氏は今月11日の党政治局会議出席以降、公の場に姿を見せておらず、重体説を含むさまざまな臆測が飛び交っている。