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cotoboxがAI活用の商標動向監視サービス開発

 商標権の登録支援に特化したクラウドサービスを展開するベンチャー企業、cotobox(コトボックス、東京都港区)は、「AI商標モニタリング」サービス(β版)を開発した。

 企業が商標権を獲得する目的は、自社の事業やブランドを守ることにある。当然、自社が使用するネーミングに似た商標、自社事業に影響を与えそうな商標、競合企業の商標などの動向には、絶えず注意を払う必要がある。

 しかし、商標動向を常時監視できるのは豊富な知財要員を抱える大手企業だけだ。顧客の認知獲得やブランド形成を進める活動の一環としてマーケティング部門が商標を担当する企業も多いが、商標情報の取得、商標の評価、問題商標への対処などに関する専門性は一般的に乏しいのが現状だ。

 新サービスは、利用者がマークしたい商標の読み方(称呼)、商品・サービスの内容や分類、企業名などをAI(人工知能)に指定しておくと、特許庁が毎日公表する特許情報標準データに含まれる商標関連公報(出願・経過・登録などに関する情報)をAIが都度、独自のアルゴリズムで類似度を計算、指定に合う確率の高い商標にチェックを入れて利用者へ通知する。

 用途について、「例えば、知財部門は商標の出願・登録・継続、異義申し立てや取り消しなど、他社商標の権利状況の変化を把握する業務の情報収集ツールとして、マーケティング部門は他社が出願した商標名や分類区分の動きを捉えることで事業の方向性推測に活用できる」と五味和泰社長(46)は語る。両部門が情報共有することで戦略的な部門連携もしやすくなるという。

 利用料は月1000円(税別)以内に抑え、指定件数や通知件数に制限を設けない固定制とし、まずは大企業の各部門単位や中小企業など幅広い層で活用してもらい、意見や要望を募ってサービスに改良を加えていく考えだ。サービスの提供開始は5月中を予定している。新型コロナウイルスの状況いかんでは、再検討する。

 五味社長は2010年に弁理士資格を得た後、米南カリフォルニア大ロースクールへ留学。この時、リーガルテックブームを間近で見て、「知財サービスをもっと多くの人々に活用してもらうためにはデジタル化によってユーザービリティーの追求が重要」と感じた。帰国後、cotoboxを16年に設立。翌年リリースしたインターネットを使った「商標出願支援サービスCotobox」は、商標権の専門家でなくとも迅速かつ低料金で商標権を得られる利便性が評価され、現在、利用者アカウント数が7000件を突破。同社と連携するはつな知財事務所は19年度中の商標取り扱件数が1700件に達している。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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