海外情勢

米で人気の代替肉が中国でも注目 豚肉不足や健康ブーム背景

 米国で普及し始めた植物性タンパク質を原料とする「代替肉」が中国でも注目されている。アフリカ豚熱(ASF)の感染拡大による豚肉不足、若者や富裕層の健康ブームを背景に、スタートアップ企業が誕生。先行する同業他社ともしのぎを削っている。

 「肉よりももっとおいしいと消費者に伝えたい」。北京のスタートアップ企業、珍肉の呂中茗最高経営責任者(CEO)は熱を込めた。原料は大豆やエンドウ豆由来のタンパク質で、豚と牛肉の風味の代替肉を展開。同社製品で作ったギョーザは、豚肉でないと分からないほどの味だ。

 上海の老舗と代替肉入りあんの月餅を共同開発し、昨年9月に限定販売。3000箱が数日で完売し話題になった。豆の風味を感じるとの声が一部であったため改良。新型コロナウイルス感染症の影響で一時テレワークを余儀なくされたが、生産ラインは既に正常化。この間もオンラインで提携飲食店の開拓を進め、契約にもこぎ着けたという。

 米国では近年、ビヨンド・ミート社の代替肉を使ったビーフパティなどが人気だ。注目していた呂氏は「中国でも関心が高まり、食べてみたい消費者が増えた」と昨年5月に創業。アフリカ豚熱による価格高騰も商機の一つととらえる。

 先行するライトトリート社は代替肉「オムニポーク」を2018年から香港で展開。扱うホテルや飲食店、小売店は昨年末現在で、中国大陸、台湾、マカオ、シンガポール、タイで計約1300に上った。昨年11月には電子商取引(EC)最大手、アリババグループの「天猫(Tモール)国際」に出店。今年は英国と日本への進出を計画している。

 中国では健康ブームを背景に、流行に敏感な層の関心が向き始めたところ。「“偽の肉”よりは野菜を食べたい」(20代女性)との声もある。ただこの女性も、鶏肉に似せて作った中国伝統の大豆製品「素鶏」は大好きだ。呂氏は「中国には大豆製品を食べてきた千年の歴史がある」と市場開拓に自信を見せた。(北京 共同)

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