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首相記者会見全文(2)「県をまたいだ移動は、少なくとも月内は可能な限り控えて」

=(1)から続く

 「解除された地域を中心に、事業者の皆さまにはこのガイドラインを参考に、事業活動を本格化していただきたい。新たな日常を共に作り上げていきたいと考えます」

 「しかし、どんなガイドラインも、感染リスクをゼロにすることはできません。緊急事態(宣言)が解除された後も、私たちの身の回りにウイルスは確実に存在します。北海道では2月下旬に、独自の緊急事態宣言を出し、感染者を大きく減少させることに成功しました。しかし、3月半ばの解除後、2、3週間たった頃から感染者が再び拡大傾向となりました。ドイツでも行動制限を緩めた直後、感染者が増加に転じ、再びロックダウン(都市封鎖)をせざるを得なくなった地域があります。当初、押さえ込みに成功したといわれたシンガポールでも感染者が大きく増えました。韓国でも先週、ナイトクラブで集団感染が発生したというニュースをごらんになった方も多いと思います」

 「気を緩めた途端、一気に感染が広がっていく。全てをかつてに戻した途端、あっという間に感染が拡大する。これがこのウイルスの最も怖いところです。これまでの努力を無駄にしないために、解除された地域の皆さんに、3つのお願いがあります」

 「第1は『少しずつ段階的に』ということです。解除された地域の皆さんに、もはや外出自粛はお願いいたしません。それでも最初は、人との面会は避ける。電話で済むものは済ませるなど人との接触をできる限り減らす努力は続けていただきたいと思います。解除された地域の中でも、県をまたいだ移動については、少なくとも今月中は、可能な限り控えていただきたい。段階的に日常の暮らしを取り戻していただくようお願いいたします」

 「第2は、前向きな変化は、できるだけこれからも続けてほしいということであります。オフィスの仕事については、多くの皆さんのご協力によって、この1カ月でテレワークが普及しました。改善すべきは改善しながら、この前向きな変化を今後も継続していただきたい。時差通勤などの取り組みも、混雑を避ける上で有効であり、ぜひこれからも続けていただきたいと考えています」

 「第3は、日常のあらゆる場面で、ウイルスへの警戒を怠らないでいただきたいということです。こまめな手洗いを心掛けていただくことはもとより、常に人と人の距離を十分に取り密集は避ける。外出するときは必ずマスクを着用し、他の人との密接は、できるだけ避ける。屋内より屋外で密閉は避ける。専門家の皆さんが取りまとめた『新しい生活様式』も参考に、3つの『密』を生活のあらゆる場面で避けていただきたいと考えています。特に3つの密が濃厚な形で重なる、夜の繁華街の接待を伴う飲食店、バーやナイトクラブ、カラオケ、ライブハウスへの出入りは、今後とも控えていただきますようにお願いいたします。いずれもこれまで集団感染が確認された場所であり、身を守るための行動を重ねてお願いいたします」

 「社会経済活動を本格的に回復させる一方で、同時にこのウイルスの感染拡大を押さえ込んでいく。これほど難しい作業はありません」

=(3)に続く

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