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首相会見全文(2)緊急経済対策、1次補正と合わせ「200兆円超の事業規模」

=(1)から続く

 「感染状況に目をこらしながら、来月、再来月と、そうした日常を少しずつ段階的に取り戻していく。そのための具体的な道筋についても、本日お示しいたしました。プロ野球なども来月、まずは無観客から再開していただき、段階的に観客を増やしていく。コンサートや各種のイベントについても100人程度のものから始め、感染状況を見ながら、1000人規模、5000人規模、さらには収容率50%へと順次拡大していく考えです。あらゆる活動について、感染防止対策を講じることを大前提に本格的に再開していく」

 「感染リスクがあるから実施しないのではなく、これからは感染リスクをコントロールしながら、どうすれば実施できるかという発想が重要であると考えます。学校については、文部科学省が分散登校など再開に向けた指針を既にお示ししています。100を超える業種別の感染防止対策、ガイドラインは、事業活動を本格的に再開し、新たな日常を作り上げていくための道しるべであります。事業者の皆さんには、これを参考に、事業活動を本格化していただきたい。政府もガイドラインに沿った感染防止の取り組みに100%補助を行うなど最大150万円の補助金で、町の飲食店をはじめ、中小・小規模事業者の皆さんの事業再開を応援します」

 「ガイドラインを完全に守って行動したとしても、感染リスクをゼロにはできない。試行錯誤も覚悟しなければなりません。感染を抑えながら、完全なる日常を取り戻していくための道のりは、かなりの時間を要することになります。本当に多くの事業者の皆さんがこの瞬間にも、経営上ぎりぎりの混乱に直面しておられる中で、さらなる時間を要することは死活問題である。そのことは、痛いほどわかっております。それでも、希望は見えてきた。出口は視野に入っています。その出口に向かって、この険しい道のりを、皆さんとともに、乗り越えていく。事業と雇用は、なんとしても守り抜いていく」

 「その決意のもとに、明後日、2次補正予算を決定いたします。先般の補正予算と合わせ、事業規模は200兆円を超えるものとなります。GDP(国内総生産)の4割に上る、空前絶後の規模、世界最大の対策によって、この100年に一度の危機から日本経済を守り抜きます。総額で130兆円を超える強力な資金繰り支援を実施します。経済全体を牽引する大企業、地域経済を支える中小企業、オンリーワンの技で成長の原動力となってきた中小企業。規模の大小に関わらず、政策投資銀行や公的ファンドを通じて、劣後ローンや出資など、資本性の資金を供給します」

 「身近な地銀、信金、信組などによる実質無利子、最大5年元本返済据置の融資も進んでいます。必要な方に1日も早く、支援を1日も早くお届けできるよう、全力を尽くします。こうした企業への資金繰り支援について、日本銀行は総額75兆円の新たな支援プログラムを先週決定しました。そして、今後とも、政府と日本銀行が一体となって、事態を収束させるために、あらゆる手段を講じていく」

=(3)へ続く

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