一方、デジタル課税をめぐっては、経済協力開発機構(OECD)が課税の国際ルールのとりまとめ作業を進めているが、新型コロナ感染拡大の影響で協議が遅れている。OECDは5月、国際ルールの大筋合意の目標時期を7月から10月に延期した。年内に最終合意する目標を示しているが、達成は危ぶまれている。英政府は国際ルールができるまでの暫定措置として巨大IT企業による過度の節税を防ぐデジタル課税を4月から導入した。
田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストは「デジタル課税の国際ルールを早期に作らなければ、無秩序な課税が相次ぐ可能性がある」とした上で「巨大IT企業を抱える米国がデジタル課税を導入した国と緊張関係に陥れば、国際協調に影響を与えかねない」と指摘する。