数字から見えるちば

人口比の医療資源全国下位 新型コロナで窮状の病院支援を

 千葉県では新型コロナウイルス患者の受け入れ先として、感染症指定医療機関を中心に約450床を確保している。現在は新規感染者が少なく退院者も増えたため、病床が逼迫(ひっぱく)しているわけではないが、今後の感染者増加に備えて、災害拠点病院や公的医療機関などへ協力を要請し、850床の確保を目指す。併せて軽症者の療養宿泊用としてホテルの確保や、中等症患者用に幕張メッセなどを臨時医療施設とする準備も進めている。

 もとより千葉県の人口10万人当たりの病院病床数(一般・療養病床)は751・4床(全国44位、全国平均957・1床)、医師数は194・1人(同45位、同246・7人)、看護師および准看護師数は878・2人(同46位、同1204・6人)と、いずれも全国下位だ。特に病床数と看護師および准看護師数については1都3県が下位5位内に入っており、首都圏の課題といえる。

 なお県内でも中核病院がある安房(亀田総合病院)、香取海匝(旭中央病院)の保健医療圏は全国平均を上回っており、それ以外の地域との差が大きい。

 さらに団塊の世代が全て75歳以上となる令和7年には、都市部を中心に医療・介護需要が急増することが見込まれ、大幅な病床不足と医療従事者不足が発生すると予測されている。

 そこで政府は、限られた医療資源を効率的に活用し、地域で切れ目のない医療・介護サービスの体制を築くことを目指して、急性期の病床を、不足している回復期などの病床に機能転換するよう指導してきた。千葉県もこれを受け、医療機関の機能分化の促進や疾病ごとの医療連携システムの構築、在宅医療の推進、医療従事者の確保・定着、地域医療の格差解消など、さまざまな施策に取り組んできた。成田市が国家戦略特区制度を活用して医学部を誘致し、県内に医師や看護師などの供給を増やそうとしているのもその一環だ。

 だが、道半ばにして今般の新型コロナウイルスの問題が発生し、多くの病院が病床や医療従事者の不足だけではなく経営も厳しい状況に陥っている。コロナ患者を受け入れている病院では、設備費用や増加した人件費のほか、一般患者の受け入れを制限したことによる収入減で赤字に転落しているケースもみられるという。

 千葉県ではこうした窮状を救おうと、4月以降に同入院患者を受け入れた病院には患者1人当たり50万円の協力金を、患者用の空き病床を確保した病院には病床の種類に応じた支援金を支給することを決めた。

 ワクチンや治療薬が開発されるまではウイルスと共存する状態が続き、第2波が到来する可能性もあるといわれる。苦境にある地域の医療機関などが崩壊しないよう、県民一人一人が感染拡大防止に努めるとともに、国や自治体には引き続き医療機関や介護施設に最大の支援策を講じ、千葉県の安心安全感を高めてもらいたい。(寄稿、随時掲載)

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