中国税関総署が7日発表した5月の世界全体に対する輸出は、前年同月比3.3%減の2068億ドル(約22兆円)だった。2カ月ぶりにマイナスに転落した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が収束せず、外需の低迷が続いたためとみられる。
米国からの輸入も伸び悩んでおり、トランプ米政権との関係悪化を助長する可能性がある。 5月の世界全体からの輸入は16.7%減の1438億ドルと、前月から下落率が拡大した。
1~5月で見ると、輸出は前年同期比7.7%減、輸入は8.2%減となり、輸入が悪化した。
特に米国からの輸入が7.6%減となり、下落率の拡大が止まらなかった。中国は米中貿易協議の「第1段階」合意に基づき、米国産大豆などを大量購入する約束だが、目立った効果が表れていない。米政権の香港情勢への対応次第で、中国政府が米国からの輸入に制限をかけるとの観測も出ており、先行きの不安定感が増している。
中国と日本の1~5月の貿易は輸出入ともマイナス。欧州各国も不調だった。東南アジア諸国連合(ASEAN)とは輸出がマイナス、輸入がプラスだった。(北京 共同)