海外情勢

日系企業7割にコロナの「損害」 カンボジア日本人商工会が調査 (2/2ページ)

 海外からの感染警戒

 厳しい水際対策の背景には、カンボジアで確認された感染者のうち半数以上が外国人だったという事実がある。感染したカンボジア人も多くが外国で感染したとみられており、カンボジア政府はウイルスが外国から持ち込まれることに強い警戒心を抱いている。

 宮尾氏によるとアンケートで特に多かったのは、カンボジア側にこの再入国規制の見直しを求めたいという意見だった。日本では健康な人はPCR検査を受けられない状態で非感染証明の取得は困難であることから、日本政府からカンボジア側に実情を説明してほしい、または日本側でも駐在員などが非感染証明を容易に取得できるようにしてほしいといった意見があり、在カンボジア日本大使館に対しこの要望を伝えた。

 これを受けて三上正裕大使は、カンボジアのモム・ブンヘン保健相と面談。カンボジア政府が新型コロナの感染防止に対応を行うのは当然であるが、ビジネスや経済協力などのために早期にカンボジアに入国を希望する日本人が多くいることと、カンボジアの経済に必要な人が来てもらえるよう、入国者に対する配慮や、水際措置の運用面での改善を検討してほしいとの要望を伝えたという。

 世界銀行によると、カンボジアの2020年の経済成長予測はマイナス1%~同2.5%と、1994年以降で最も低くなる可能性がある。カンボジア政府にとっては防疫と経済活動のバランスをどう取るかが課題となっている。(カンボジア日本語情報誌「プノン」編集長 木村文)

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