数字から見えるちば

千葉市の冷凍食品消費額、全国6位

 巣ごもり生活の影響で家庭の冷凍食品の消費が伸びている。3月の家計調査(総務省)によると、世帯当たり(2人以上世帯)の冷凍調理食品購入額は、前年同月比19・9%増となった。コロナ禍に伴う学校休校で給食・弁当ニーズなどは減少したものの、それ以上に、家庭での買いだめを含む巣ごもり需要や自炊疲れが追い風となった。

 同じ統計による同月の千葉市民の冷凍調理食品購入額をみると、同80・3%増もの高い伸びとなっている。もともと千葉市では、コロナ以前から冷凍食品の消費額が多い。年ごとのフレをならすため3年間(平成29~令和元年)でみた千葉市における支出額は年間9823円で全国6番目となっている。全国上位の都市をみると、(1)通勤時間が長く、帰宅時間が遅い東京圏ベッドタウン(千葉市、横浜市、相模原市)と、(2)共働き世帯が多い地方圏(鳥取市、富山市、浜松市など)に大別できるのが特徴だ(図表参照)。

 また、冷凍食品への支出額が全国的に年々伸び続けているが、これには、需要面で共働きや単身世帯の増加(調理の簡単さやいつでも手に入るお手軽感、必要な分だけ解凍できる使い勝手や日持ちの良さ)のほか、供給面で、素材や味、安心安全(化学調味料、食品添加物なしなど)にこだわった冷凍グルメが登場していることも一因だ。日本冷凍食品協会によると、冷凍食品の「おいしさ」に魅力を感じる人が近年顕著に増えているという。従来の「手抜きできる分、味はそこそこ」といったイメージはもう古い。

 食に関して外出自粛期間中に家庭内に広がったものに、冷凍食品のほか、パンやお菓子作りなどのスローフード作りや飲食店からのテークアウト・デリバリーもある。国が5月4日に発表した「新しい生活様式」をみても、気軽に外食できる日はまだ遠いように感じられる。おそらく、アフターコロナの日常生活でも、家庭内の新たな食文化は、企業のBCP(事業継続計画)や働き方改革、5G通信の流れとともに一定程度は根付くのではないか。

 ところで、冷凍食品の製造工場は、ニチレイフーズ(船橋市)など県内臨海部の食品コンビナートに数多く立地し、冷凍食品は千葉県にとり一種の地場産業でもある。今回のコロナ禍は、県内の食品・飲食業界に明暗さまざまな影響をもたらしているが、歴史的にみると、大きなショック(変化)が新たな技術やサービスを生み出す転換点となったことも少なくない。今後、県内関連業界においても新たなイノベーションが起こることを期待したい。(ちばぎん総研研究員・井上夕香)

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