海外情勢

EU欧州委、中国の投資に規制案 買収攻勢に歯止め

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)の欧州委員会は17日、外国政府から多額の補助金を受ける企業に対し、EU域内での投資や買収を規制する新提案を発表した。中国が自国企業に巨額の補助金を支給し、EU市場に攻勢をかけるのを食い止める狙いがある。

 提案は、「外国からの補助金に関する競争の公平化」と題した白書で示された。3年間で20万ユーロ(約2400万円)以上の補助金を受ける外国企業を対象にしており、EU当局が調査で「市場を不正にゆがめている」と認定した場合、課徴金や合併禁止などの是正措置をとるよう明記した。公共事業については、当該企業を入札から排除する方針で、EUによる法制化を目指す。

 白書は「現在のグローバル化経済で、外国政府の補助金はEU市場の歪曲(わいきょく)を招いている。補助金が事業の買収を促し、投資決定に影響を与えるようになった」と警告した。

 EUでは新型コロナウイルス流行で域内企業が経営難に陥る中、国家補助金に支えられた中国企業が、電気自動車(EV)や人工知能(AI)など重点産業で投資攻勢をかけることへの警戒が強まっている。3月末、EU首脳会議は「戦略的資産や技術を守る」として、対応策をとる方針を決めた。

 EUでは2016年、ドイツの産業ロボット大手「クーカ」が中国企業に買収されたのを機に、中国投資に対する規制を求める声が高まった。昨年春には、中国を「競争相手」と明記するEU外交戦略が発表された。

 ドイツのメルカトル中国研究センターによると、昨年、中国からのEU直接投資は117億ユーロ(約1兆4千億円)。16年をピークに減少傾向にある。投資先はかつて、英独仏の3カ国が投資先の大半を占めたが、近年は北欧が急増。昨年は中国の不動産グループ「恒大集団」の傘下企業が、スウェーデンのEV企業「NEVS」を買収した。

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