海外情勢

インドネシアから突然の再参画案に日本困惑 中国受注の高速鉄道完成遅れ

 日本と中国が受注を激しく争った末、中国案が採用されたインドネシア・ジャワ島の高速鉄道の完成が遅れる中、同鉄道をさらに延伸して日本を再度参画させようという案をインドネシア政府が突如表明。振り回される形になった日本側に困惑が広がっている。

 高速鉄道は首都ジャカルタと隣接する西ジャワ州の州都バンドン間約140キロを結ぶ計画で、2016年に着工。当初19年の完成予定だったが、土地収用で問題が発生するなどしたため、21年に延期されている。

 経済分野を統括するハルタルト調整相は5月、閣議後の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で完成がさらに1年程度遅れると表明。予算を超過することが政府内で問題視され、ハルタルト氏はジョコ大統領から事業の経済性を高めるため路線を「(第2の都市)スラバヤまで延伸するよう指示があった」とし、「日本を共同事業体に加える」と提案されたと明らかにした。

 延伸をめぐる発言は、高速鉄道受注でいったん敗退した日本側には寝耳に水。インドネシア政府との間では、ジャカルタ-スラバヤ間(約720キロ)で在来線の最高速度を160キロに引き上げ所要時間を現在の半分の5時間半に短縮する別計画で既に合意しており、今年末までの予定で事業化調査を始めていた。

 日本側は「本来なら先にわれわれに話があるはずだ」(政府関係者)と困惑を隠さない。

 高速鉄道と在来線はレールの幅が異なるため、計画の一本化は技術的に困難とされる。インドネシア運輸省によると、バンドンからジャワ島南部経由でスラバヤまでつなぐ別の在来線の高速化案が浮上しているが、日本の計画に一本化するより遠回りになり、所要時間の短縮効果は低そうだ。

 関係者は「在来線の事業化調査を粛々と進めていく」と語った。(ジャカルタ 共同)

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