海外情勢

「熱は下がり、気分はいい」コロナ感染のブラジル大統領 経済への持論も展開

 【ワシントン=住井亨介】新型コロナウイルス感染の症状が出ていたブラジルのボルソナロ大統領は7日、検査結果が陽性だったことを明らかにした。現地メディアが伝えた。熱は下がったといい、当面は公邸でテレビ会議などを通じて公務をこなすという。ボルソナロ氏は一貫して新型コロナを軽視し、マスクを着用しない態度が問題視されていた。

 CNNブラジル(電子版)などによると、ボルソナロ氏は5日から体調を崩し、6日は38度の発熱や疲労感などの症状を訴えていた。7日には、首都ブラジリアの大統領府前で記者団に「熱は下がり、気分はいい」と強調。「ウイルスの心配も必要だが、ブラジルは生産をしていかなければならない。経済のギアを入れていかなければならない」と持論を展開した。

 ボルソナロ氏は3月の訪米に同行した政府高官らの感染が明らかになったことなどから、これまでに3回検査を受けたがいずれも陰性だった。

 米ジョンズ・ホプキンズ大の調査によると、7日時点のブラジルの感染者数は約167万人、死者数は約6万7000人で、ともに米国に次いで世界で2番目に多い。

 ボルソナロ氏は、外出規制や都市封鎖は必要ないと主張。商業活動の規制や感染拡大防止の対策を実施する地方自治体と激しく対立してきた。さらに、最高裁が4月に規制の権限が各自治体にあると判断したため、全国的なコロナウイルス対策が取られずにいる。

 また、コロナ対策として議会が成立させた公共の場でのマスク着用を義務付ける法律について、ボルソナロ氏は拒否権を発動。商業施設や学校などでの使用義務を定めた条項について同法から削除した。

 同氏はしばしば公の場にマスクをせずに現れることで知られている。7月4日の米独立記念日を祝う駐ブラジル米大使公邸でのイベントに参加した際にも、マスクを着用せず「ソーシャル・ディスタンス」(社会的距離)も保っていない様子が伝えられていた。

 リオデジャネイロ州立大で政治学が専門のマウリシオ・サントロ教授はAP通信の取材に「ボルソナロ氏は民主主義国家の指導者の中で最も感染拡大の深刻さを軽視してきた」と非難した。

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