国内

訪日客で政府が新規の客層開拓へ 30年に6000万人目標維持

 政府の2020年観光ビジョン行動計画が8日、分かった。新型コロナウイルス感染症で激減している訪日客を30年に6000万人とする目標は「十分に達成可能」と明記。コロナ収束を見据え、より多くの国や地域から訪日客を呼び込む多角化の方針を打ち出した。訪日客の消費額増には新規の客層が必要で、特定国・地域への依存はリスクもあるためだ。

 今年の訪日客を4000万人とする目標は実現が極めて難しく、計画は「現在は厳しい状況」と指摘。ただ中長期的には回復できるとし「回復までの時間を活用し、受け入れ環境整備に戦略的に取り組む」とした。

 訪日客は東アジア頼みの面が強く、客数を増やすには新規の客層開拓が欠かせない。一方、昨年夏以降、日韓の政治関係悪化から韓国人客が大幅に減少。新型コロナでも、訪日客数で最大の割合を占める中国で最初に感染が広がり、真っ先に客数が急減した。他の国・地域から誘客を増やせばリスク分散にもなる。

 具体的には、国立公園でのアウトドアや伝統的な食事など、訪問先でしか味わえない自然、文化を楽しむ体験型旅行は欧米人に人気で、滞在日数や消費額増が期待できる。こうした体験型の旅行企画の実現を助言するため、政府は観光地に専門家らを派遣する。インド、欧米に多いベジタリアン(菜食主義者)対応も強化。食材や提供方法を飲食店に周知し、インターネットで対応店舗を確認できる仕組みも目指す。

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