安倍晋三首相は15日のIT総合戦略本部などの会合で、新型コロナウイルス感染拡大で対応の遅れが露呈したデジタル化推進のため、今後3年間を集中投資期間と位置付け、重点的に予算措置する考えを示した。2000年に成立したIT基本法見直しの議論を加速し、来年の通常国会への改正法案提出を目指して作業することも指示した。
政府は8日に示した経済財政運営の指針となる「骨太方針」案で、この1年間でデジタル化に取り組む方針を表明した。制度と予算の両面で手当てすることで抜本的な改善につなげたい考えだ。
首相は会合で「国や地方のシステムを統一的に整備することを原則に、行政分野のデジタル化を集中的に実行していく」と強調した。「全ての自治体で住民の利便性向上の観点から共通サービスを提供できる仕組みを今後5年間で実現する」とも述べた。
政府は15日の会合で、新型コロナを踏まえて接触機会を減らす在宅勤務といった企業の取り組みへの支援や、国や地方のデジタル基盤拡充を柱とするIT新戦略をまとめた。17日に閣議決定する。
新戦略は「デジタル強靱(きょうじん)化社会の実現」を掲げ、在宅勤務やオンライン教育などでITを利活用する重要性を指摘したほか、災害対応にもITを駆使していくとした。インフラやデータ流通環境などを整備していくことを課題として挙げた。
マイナンバーカードの普及や利活用を推進するほか、20年度中をめどに小中学生に1人1台ずつパソコンなど学習用端末を配備することも盛り込んだ。