米短文投稿サイトのツイッターで15日、米国のオバマ前大統領やバイデン前副大統領、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏ら多数のフォロワーを抱える著名人のアカウントが乗っ取られ、金融詐欺に悪用されるハッキング被害が相次いだ。
米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は、10万ドル(約1070万円)以上がだまし取られたとする暗号資産(仮想通貨)取引所ブロックチェーン・コムの見方を伝えた。トランプ米大統領をはじめ各国首脳らも政策発表などに活用するソーシャルメディアの脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。
乗っ取られたオバマ氏のアカウントは、特定のアドレスに暗号資産のビットコインで送金するよう要求。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う社会支援として、「1000ドル送金してもらえれば2倍にして返す」といった内容が投稿された。ゲイツ氏のアカウントからは「みんなからお返しを求められており、今がその時だ」とツイートされた。
システムの脆弱性を突かれたとみられる。ツイッターは15日「従業員を踏み台にして社内システムに入り込む組織的な攻撃を確認した」と説明した。昨年8月には同社のドーシー最高経営責任者(CEO)のアカウントも同様のハッキング被害に遭っている。
他に被害に遭ったとみられるのは、米電気自動車(EV)大手テスラのマスクCEOやアマゾン・コムのベゾスCEO、人気ラップ歌手のカニエ・ウェスト氏らのほか、米アップルや米ウーバーの企業公式アカウント。
ニューヨーク・タイムズによると、トランプ氏のアカウントは特別なキーで管理されており、被害はなかった。(ニューヨーク 共同)