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東京・千代田区が12万円給付へ 「区長の疑惑隠し」の声も

 東京都千代田区は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う区独自の支援策として、区民全員に一律12万円の特別支援給付金支給を盛り込んだ補正予算案を、27日開会の区議会臨時会に上程する。この臨時会には、石川雅己区長が区内のマンションを優先的に購入したことを追及する百条委員会で虚偽証言を行ったとして、刑事告発に向けた議案の採決も予定されており、議員からは「なぜこのタイミングの給付金なのか」といぶかしむ声も出ている。(本江希望)

 1人12万円の給付金は、国による10万円の特別定額給付金を上回り、区独自の給付金としても品川区の1人3万円を大きく上回る。

 「給付金の話は妻から聞きました。すごいですよね」。千代田区の住民でスポーツジムを経営する男性(36)は笑顔でそう話す。ジムはコロナの影響で2カ月間の営業停止を余儀なくされたという。

 こうした歓迎の声が区民から聞かれる一方で、区議には疑心暗鬼の声もある。

 「区長は給付金の指示をいつ出したのか。あまりにも遅すぎる指示であり、早すぎる決断だ」。そう話すのは自民議員。「2月以降、われわれは区長に対して住民へのコロナ支援を予算化してほしいと要望していたが、2次補正でも対応しなかった。7月8日に百条委が区長を告発する方針を決めてから、慌てて打ち出したのではないか」と指摘し、「議員からは『疑惑隠しでは』との声も出ている」と明かす。

 一方、区の給付金担当者によると、石川氏は6月、コロナの状況が改善されていないことから、全ての事業部に対策のアイデアを出すよう指示したという。「そこで提案があった給付金について、金額を含めた検討が進められた」と担当者は説明する。

 石川氏は今年3月、4年前に家族と購入した高級マンションの一室が一般に販売されない「事業協力者住戸」だったことが判明。強い調査権限を持つ百条委が議会に設置され、今月8日の百条委では、石川氏がこのマンションの容積率を緩和するなどした見返りとして、事業者側から優遇された疑惑が指摘されていた。

 石川氏は給付金について22日、危機的な新型コロナ感染症拡大の中で、経済面で包括的に支援することが目的とコメントした。この補正予算案が審議される臨時会で、石川氏が百条委で偽証したとして刑事告発を求める議案の採決も行われる見通しだ。

 別の区議は「疑惑についてまだ区民の納得が得られていない中で、12万円という金額だけが先行している」と危機感を示した。

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