生かせ!知財ビジネス

独自特許で高知発メタンハイドレート事業を実現

 “知的財産途上県”であった高知県の特許に事業活用すれば大きな経済価値を生むとの評価がこのほど出た。みかづきハイドレート(高知市)のメタンハイドレート回収技術の特許だ。発明者の杉本昭壽社長(75)に聞いた。

 --特許となっているのはどういう技術か

 「先端モジュール逆洗ポイントタイム科学熱刺激(変圧変動)方式という。従来の減圧や減圧加熱法の欠点を克服し、深海に眠る莫大(ばくだい)な次世代資源のメタンハイドレートを効率よく回収すると同時にレアメタル(希少金属)回収を可能にした。技術の有用性は海洋研究開発の専門家のお墨付き。子供の頃からモノづくりが大好き。全て独学。旋盤も回せる」

 --経済価値評価とは

 「特許庁の金融機能促進事業において知財専門家の調査を受け、知財ビジネス評価書を作成してもらった。国内有数の埋蔵量を誇る土佐沖で採掘する場合、特許の通常実施権のライセンスにより、試掘時に45億円、商業生産開始後は6年以内に1910億円の収益を生むそうだ」

 --知財戦略は考えているか

 「コア(中核)技術に関するモジュール(部品群)は内製して提供することで防衛を図る。ライセンス契約を専門とするパテントプール(特許権の包括管理活用)会社の助言を受ける」

 --事業化は

 「10年以上前から進めてきた。実は土佐沖メタンハイドレートの採掘権(旧鉱業法下の鉱業権で独占排他権)も獲得済み。採掘権のロイヤルティーも得られる。特許権と採掘権を活用したビジネスモデルがわれわれの強みだ」

 --事業実現へ向けた壁には何があるか

 「事業は国家戦略特区スキーム下で行うため、自治体からの依頼状が必要。地域活性化になるので自治体には勇気ある決断を望む。国内の資源事業会社、重機製造会社、リース会社および金融機関での事業化チーム組成も課題。工法開発や実験を継続して来た業界の先人があってこそわれわれがいると思う半面、自社技術への自負もある。万一日本で事業化が難しいなら、海外資源メジャーと連携、海外知財権活用会社の利用にも挑みたい」

 --優位性ある技術の活用は国の資源政策と絡むはず

 「当然だ。わが国の海外戦略にも使える」

 --事業が動き出せば、収益をもたらすが

 「優れた技術や特許があっても世に出られない企業がある。彼らがチャンスをつかむ支援をする知財団体設立を構想中だ」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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