農林水産省は5日、令和元年度の食料自給率が熱量で換算するカロリーベースで38%(概算値)になったと発表した。過去最低水準だった前年度の37%から1ポイント上昇。サバ・サンマの不漁や米の消費減が下押ししたが、豊作による小麦の収量増などが寄与した。政府は令和12年度に45%に高める目標を掲げているが、依然として7ポイントの差がある。
食料自給率は、国内の食料消費が国内生産でどの程度賄えているかを示す。前年度からの上昇は11年ぶり。
ただ、小数点第2位までみると、元年度の概算値は37・82%で、前年度の確定値である37・42%から0・40ポイントの上昇にとどまる。
また、金額で換算する生産額ベースの食料自給率は前年度並みの66%で、過去2番目の低水準が続いた。政府は、12年度に75%に高める目標を掲げている。
食料自給率はカロリーベース、生産額ベースとも長期的に低落傾向にある。自給率の高い米の消費減に加え、飼料を海外に頼る肉の消費増といった食生活の変化が指摘される。
農水省は、畜産物の生産に関して飼料が国産か輸入かを問わない「食料国産率」も発表した。カロリーベースでは47%で、食料自給率との差は9ポイントだった。