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被災してお好み焼き? 日常の手抜き料理が防災食になる「フェーズフリー」 (1/2ページ)

 【近ごろ都に流行るもの】

 被災時にお好み焼きを作るの!? 災害時の備えを平常時の暮らしに組み込む「フェーズフリー(Phase Free)」が提唱されている。特にコロナ禍で自宅避難が呼びかけられる今、防災の自立は国民的な務めだ。そんな最中に発行された「備えいらずの防災レシピ 『食』で実践フェーズフリー」(東京法令出版)は、ガス・電気・水道が停止した非常時でも調理できる、日常のおかずやおやつを収録。その手法は手抜き、節約、エコのアイデアが満載で、今日からでも取り入れられる。(重松明子)

 今回の取材は、東京都小平市にある著者の飯田和子さんのキッチンにおじゃまして、本からお好み焼きをリクエストするところから始まった。

 まずは長芋をポリ袋に入れ、使用する缶詰の角で潰す。そこに乾燥野菜のキャベツやニンジン(残り野菜でもいい)、卵、ツナ缶、常温保存が可能なロングライフ牛乳、小麦粉を投入し、袋ごと振ってモミモミ。カセットコンロのフライパンに移して、コンガリ焼いて完成。長芋のつなぎがふわっ、シャキッとしておいしい!

 日持ちして、生でも食べられる長芋の「一家に1本常備」を推奨する。飯田さんのレシピは、切り干し大根などの乾燥野菜・乾物を多用するのが特徴だが、日照不足で生野菜が高騰する今、家計的にも助かるし、はさみで切れるのも楽ちん。ポリ袋も必須アイテムだ。

 「ポリ袋は多用途で、道具を使わずに衛生的に調理できる。洗い物も減らせる」と飯田さん。紹介する料理はどれも超簡単。筆者も作ってみたが、切り干し大根と鯖(さば)缶をポリ袋に入れて缶汁で大根を戻せば、火を使わずに煮物風の一品となる。ごまやノリを加えるなど好みにアレンジでき、酒肴にも気が利いた小鉢が5分で一丁上がり! 「まずは作って食べてみて。それが備えになるんですよ」

 担当編集者の徳竹裕志さん(38)は「身近な食材で簡単に作れ、栄養バランスも良い。コロナ禍で家庭料理への関心が高まるなか、若者の料理入門書としても活用してもらいたい」と期待する。

 飯田さんは、栄養士・調理師として、行政などが主催する防災食教室の講師を長年務めてきた大ベテラン。平成7年の阪神淡路大震災で妹家族が被災したことが、研究を始めるきっかけになった。昨年4月から、消防士向け専門誌「月刊消防」で連載中の「家で職場で防災レシピ」が評判となり、今年7月に単行本化が実現した。35品を収録。包丁は使わず、ちぎる、もむなど、幼児から高齢者まで安全に調理できることを重視している。いざ被災したとき、できることを分担することで人に役立てる喜びを感じたり、「みんなで頑張ろう」という一体感を醸成できたりする、心理的効果まで考えた。

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