海外情勢

イスラエルとUAE、国交正常化合意で電話可能に

 【カイロ=佐藤貴生】イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)は16日、国交正常化合意を受けて両国を結ぶ電話回線を開き、開通を記念して双方の外相が電話で会談した。ロイター通信が伝えた。両国の企業は、新型コロナウイルス感染対策のため検査キットを含む調査・研究で協力することで一致。合意を受けて関係が急速に深まる気配をみせている。

 イスラエルのアシュケナジ外相はUAEとの外相との電話会談に際し、外相同士がまもなく面会することで合意したと述べた。ロイターによると、遮断されていたインターネットサイトも相互に閲覧可能になる見通しだという。

 イスラエルとUAEはともに、中東で金融や情報などの先端技術が発展している指折りの国で、協力進化は両国の地位を飛躍的に高める可能性がある。

 一方、国交正常化合意に反発するイランのロウハニ大統領が15日、UAEは「大きな誤り」を犯したと述べたことを受け、UAE外務省は「受け入れがたい」として同国に駐在するイラン政府当局者を呼び出して警告した。

 UAEは、要衝ホルムズ海峡をはさんでイランの至近距離に位置する。合意はイランと敵対するトランプ米政権が仲介したもので、米国を含む3カ国の協調が強まる公算が大きい。

 米国のフリードマン駐イスラエル大使は14日、国交正常化合意に合わせてUAEが受ける脅威がどれほど増すかを調査し、同国の防衛に役立つ兵器の売却が増える可能性があるとの見方を示した。イランとUAEの緊張がさらに高まることも予想される。

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