国内

米沢牛の糞で発電 来月から稼働、周辺の悪臭低減にも寄与

 山形県飯豊町にブランド和牛「米沢牛」の糞(ふん)から発生させたメタンガスを利用する「ながめやまバイオガス発電所」が完成、9月から発電を始める。町によると、乳牛の糞を使う発電所は各地にあるが、肉牛の糞をメインとするのは全国初。糞を地下配管で運ぶため、周辺の悪臭低減にも一役買うという。

 同県長井市の東北おひさま発電が運営し、一般家庭約900世帯分に当たる年間約360万キロワット時を売電する計画だ。隣接する牛舎では米沢牛の1割強を占める最大1130頭を飼育する。牛舎のベルトコンベヤーで集められた糞は、配管を通ってタンクにためられ、菓子のくずなどとともに発酵させメタンガスを生み出す。これをガスエンジン発電機の燃料にして電気を作る。

 米沢牛全体の4割を生産する町にとって、悪臭対策は課題だった。実際に周辺住民の理解が得られず、繁殖用の牛舎建設が頓挫した例もあったという。金田正寿農業振興室長は「地元に受け入れてもらえる施設にする必要があった」と語る。

 バイオガス発電所から出るのは、発酵後の残りから精製した液体肥料と牛の寝床に敷く「敷料」程度。液体肥料は周辺の牧草地にまくため、同社の新野和彦取締役は「廃棄するものはほとんどない」と胸を張る。

 ただ全国では、牧草を主食とし、水分が多い乳牛の糞を使用する施設ばかり。脂の乗りを良くするため穀物が主食の肉牛の糞は、水分が少ないため配管を通りにくく不向きだ。同社は発電所建設の実績が豊富な土谷特殊農機具製作所(北海道帯広市)と協力、配管内の水分量を調整して解決した。

 想定通りの発電効率を達成して軌道に乗れば、全国の肉牛産地での導入に道が開ける。新野取締役は「先駆的な役割を担えるのではないか」と期待をかける。

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