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徳島のスダチ、国内生産の98%占めるもコロナで窮地 果汁生産などで活路

 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内生産の約98%を占める徳島県産のスダチが窮地に陥っている。主に和食の添え物として料亭や旅館などで使用されるが、外食需要が激減し、取引価格も急落。食品や酒への活用や輸出拡大にも取り組んでいた最中で、生産者は頭を抱えている。

 スダチは、ビニールハウスや露地で年間を通して栽培され全国の市場に出荷される。飲食店の他、近年は外食チェーンやコンビニでスダチを使った商品のニーズが増え、果汁入りハイボールなども人気が高まっている。

 だが今年は新型コロナウイルスにより深刻な影響が出ている。徳島県やJAアグリあなん(阿南市)によると、4月の緊急事態宣言後、外出自粛に伴い出荷は激減し、同月中旬の平均単価は例年と比べて半額ほどの1キロ1000円前後に。5月には例年の3分の1以下の約600円まで落ち込んだ。

 足元では、単価は例年並みに戻りつつあるというが、ハウス栽培が盛んな阿南市で生産者団体の代表を務める松崎克弘さん(64)は「ハウスは燃料代の負担が大きく、大打撃。値崩れした上になかなか売れない。後継者が減る中、やめる農家が出てこなければいいが」と不安をにじませる。

 今は露地栽培のシーズン。ハウス栽培より生産コストがかからず安価となるため、家庭向けでスーパーなどにも並ぶ。主要産地である神山町の農家、佐々木宗徳さん(44)は「新型コロナの影響は減ると思うが、簡単に需要は戻らないだろう」と話す。

 佐々木さんは3年前から、町や地元JAと連携して欧州連合(EU)向けの輸出に取り組む。「海外も地産地消の流れとなり、今年の輸出は厳しい状況。保存しやすい果汁の生産や酒への活用など新しいことに挑戦しなければいけない」と苦境に立ち向かうつもりだ。

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