国内

地元企業とタッグで静岡の未来担う人材育成 シヅクリプロジェクト本格始動

 静岡県内の学生と地元企業や市民がつながることで、静岡から日本の未来を担う人材の輩出を目指す一般社団法人シヅクリ(山下由修代表)は、「シヅクリプロジェクト」として県内の中高生が、地元の参画企業などとともに地域をより良くするための革新的なアイデアを出し合う探求学習の取り組みを始動した。9月からの約3カ月の特別授業などを通じ、静岡へのほこりを感じ取ってもらい、ひいては将来、静岡に暮らし、働き、魅力を発信できる人材の育成につなげたい考え。(那須慎一)

 20日に静岡市駿河区のグランシップで開かれたキックオフイベントには、参加する県立駿河総合高校や東海大翔洋高校、静大付属静岡中、静岡市立東豊田中の生徒計16人と、アイエイアイの石田徹社長やタミヤの田宮俊作社長、鈴与の高橋明彦副社長など地元を代表する企業のトップらが集結。「静岡の未来に光を灯せ!~10年後の静岡の可能性を探る」と題したトークセッションでは、生徒側から「少子高齢化対応で自然豊かな静岡に全国からお年寄りを集めて暮らせるようにしたらどうか」や「静岡が率先して『持続可能な開発目標(SDGs)』導入を徹底すべき」といった多様な意見が次々と飛び出し、企業トップも「少子高齢化はむしろビジネスチャンス」「一旦静岡から離れて、改めて静岡の魅力を再発見すれば、良い面や課題が見える」などと返した。また、別の生徒から「地元の企業に就職しようと調べたが、たくさん知らない県内企業がある。地元の企業アピールがもっと必要では」といった厳しい意見が出るなど、静岡の未来像について真剣なやり取りが繰り広げられた。

 プロジェクトに賛同した県内中高計7校では9~12月に企業の協力も得て、特別授業を実施する。学内で4人1組のチームを作り、最終的に企業と静岡の強みを掛け合わせてどういったことができるか生徒たちにまとめてもらう。来年1月には合同発表会を行う計画だ。「企業など本物の現場の声を聞き、イノベーションの起こし方を学んでほしい。今回のことを経験にとどめず、貢献に変えていってくれたら」(駿河総合高校の遠藤健氏)とするように学校側も期待する。

 同プロジェクトでは、今後3年間で、20校、3千人の生徒を対象に授業を行い、人が育つ地域づくりの実現を目指す。

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