海外情勢

正恩氏が経済不振認める 北朝鮮、来年1月に党大会

 【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、朝鮮労働党中央委員会総会が19日に開かれ、来年1月に党大会を開くことを決めたと報じた。総会で金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は、新たな国家経済発展5カ年計画を党大会で提示すると述べた。党はこの間、計画してきた経済成長を達成できなかったことを公式に認めた。

 党大会は、北朝鮮で最高の意思決定機構で、2016年5月以降、約5年ぶりの開催となる。党の事業総括に加え、党規約の改正や党中央指導機関の選挙を行うとしている。

 停滞したままの米朝交渉や、核・ミサイル開発についての言及は伝えられなかった。米国が今年11月に大統領選を控えていることから、結果を見定めてから外交路線を仕切り直す思惑もうかがえる。

 総会で採択した決定書で、党は「過酷な内外情勢が続き、予想外の挑戦が重なり、経済事業を改善できなかった」と指摘した。「国家経済の成長目標が甚だしく未達成となり、人民生活が目に見えて向上し得ない結果ももたらされた」とも厳しい現状認識を示した。

 16年の党大会では、経済建設と核開発を同時に進める「並進路線」のさらなる推進のほか、国家経済発展5カ年戦略を打ち出し、今年10月の党創建75周年までの経済目標の達成を目指してきた。だが、国際社会の制裁に加えて今年は新型コロナウイルス対策による国境封鎖や水害が経済を直撃した。今回、経済政策の失敗を事実上、認めた形だ。

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