海外情勢

新型コロナ 韓国で再び感染拡大、ソウルで10人以上の集会禁止

 【ソウル=名村隆寛】韓国で再拡大している新型コロナウイルス感染の勢いが、さらに増している。韓国政府によると、1日当たりの新規感染者は14日から8日連続で100人を超え、21日の発表では一気に324人にまで増えた。

 教会での集団感染のほか、15日にソウル中心部で行われた文在寅(ムン・ジェイン)政権批判の集会には、感染していた牧師を含む計約5万人の市民が参加し、新たな感染者が確認された。警備に当たった警察官7600人余りの検査も行われるなど、全国への感染拡散に懸念が高まっている。

 感染者のうち、感染経路の不明者(7~20日)は14・7%。ソウル市は21日から30日までの予定で、10人以上の集会を市内全域で禁止した。また、感染拡大防止に向けた「社会的距離の確保」のレベルがソウル、仁川(インチョン)、京畿道(キョンギド)の首都圏全域で19日から1段階引き上げられている。

 感染拡大への警戒感は文大統領の支持率を押し上げている。世論調査会社、韓国ギャラップの21日の発表によると、先週、就任以来最低と並ぶ39%に下落した文氏の支持率は、今週8ポイント上がり47%で、不支持は45%だった。支持理由のトップは「新型コロナウイルスへの対応」(37%)だった。

 一方、医療現場では、韓国政府が進める医大の定員拡大や公立医大の設立などの医療政策に反対し、総合病院の研修医が21日から無期限ストを始めた。感染拡大の中、ストの長期化が懸念されている。

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