【ワシントン=平田雄介】11月3日の米大統領選に向けた共和党全国大会は27日夜(日本時間28日午前)、最終日の日程に入った。党の候補指名を受けたトランプ大統領(74)がホワイトハウス南庭で受諾演説。政治紙ポリティコ(電子版)によると、トランプ氏は民主党大統領候補のバイデン前副大統領(77)が行ってきた対中国政策や経済・貿易政策、移民、治安問題への対処を批判し、「バイデン氏がもたらした損害を修復するのに1期目を費やした」と述べて対決姿勢を鮮明にする。
大会では、ペンス副大統領らが、急進左派の影響力が増す民主党が政権を担えば、連邦政府が個人の生活を過度に管理し、国民の自由や安全が侵害されると主張した。共和党は今回の大統領選を個人の自由を尊重する民主主義と市場経済といった「米国の価値」をかけた戦いと位置づける。
ポリティコによると、トランプ氏は演説で「民主党の政策は主要政党では史上最も過激な提案だ」と主張。「2つの政党のうちどちらを選ぶのか、有権者の選択は今までになく明白だ」と支持を訴える。
また、世界最悪の死者数を出し、民主党から批判を受けてきた新型コロナウイルス禍への対応を語る。23日発表した公約は「年内のワクチン開発と来年の国内正常化」「10カ月で1千万人の雇用創出」などを掲げた。
演説では「共和党は米国の偉大さと米国人の公正な心を信じる民主党員ら全ての人を迎え入れる用意がある」と国民の融和も呼びかける。
トランプ氏は不動産やカジノ・ホテルの経営、テレビ司会者を経て、2017年1月に大統領に就任した。