海外情勢

中国でザリガニ料理6兆円市場に成長 北京・上海で人気上昇、代替肉も登場

 中国で近年、ザリガニ料理が夏の定番となっている。レストランなど関連産業を全て合わせた市場規模は4000億元(約6兆円)に達するともいわれる。南方で好まれていたが、北京市や上海市でもポピュラーに。人気を当て込み植物性タンパク質の「ザリガニ代替肉」まで出現した。ただ今年は最大産地の湖北省を新型コロナウイルスが襲い、養殖に影響が出ている。

 夜食に合う「社交性」

 スパイシーな味付けが主流で、記者が食してみると、エビほど可食部は多くないがビールや白酒(中国伝統の蒸留酒)との相性が抜群。やみつきになり、ついつい殻をむき続けてしまう。

 淡水で育つザリガニは江蘇省や湖北などで以前から食用だったが、近年都市部でも人気が上昇。夏には大皿のザリガニを囲む光景が各地で見られる。中国水産学会などの報告は、会話しながら楽しむザリガニ料理の「社交性」が夜食文化やスポーツ観戦に合っていると指摘。政府も消費拡大を後押しする。

 報告によると、2003年に約5万トンだった養殖量は、19年には約209万トンまで増加。養殖や加工、飲食業など市場規模は前年比19%増の推定4110億元という。

 「ここ数年はザリガニが熱いよ」。7月下旬、最大産地湖北の潜江(せんこう)。農家の江思洪さんが水田で、網で「収穫」する様子を実演してくれた。ザリガニ養殖は稲作と両立でき、大きな投資も不要で農家の収入増の手段になっている。

 ただ、江さんによると今年は子ザリガニを水田に入れる3、4月に感染防止のために封鎖が行われ、生産量が減少。会食が減って消費が低迷し、価格も下がった。例年の収入は約15万元だが、夏の主な収穫期が既に終わった今年は5万元程度という。

 供給が不安定となったことを受け、北京の企業は6月に「ザリガニ代替肉」の販売を開始した。「新型コロナによる健康志向の高まり」(同社)で、豚や牛の代替肉と同様に需要を見込む。

 失業対策に養成授業

 街の象徴として巨大なザリガニ像がそびえる潜江。中心部の「潜江ザリガニ職業技能訓練学校」では学生が調理を学ぶ。張国安・理事長は「100種類超の味を教えている」と胸を張った。コロナ禍による失業対策として7月、調理師と養殖業従事者計1万人を養成する無料授業も始めた。

 飲食業向けのマンツーマン講座もある。中華鍋を振る講師の手元を、郭柏成さんがじっと見つめた。4月に数百キロ離れた河南省で鍋料理店を開いたばかり。学費約5000元は安くないが、「地元でもザリガニは大人気。うちのメニューに加えたい」と意気込んでいた。(潜江 共同)

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