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岩崎晋・特許技監に聞く (上)諸施策を持続可能なものに

 特許庁の技官トップ、特許技監。庁内では長官に次ぐナンバーツーでもあり要職だ。この特許技監に4月に就任した岩崎晋(すすむ)氏(55)に抱負や新型コロナウイルス対策、今後の働き方などについて聞いた。

 --就任から4カ月超。改めて自身のポストをどうみるか

 「専売特許条例制定から135年目、特許技監として23代目。地位の重みを感じた。同条例が日本の産業の活性剤となってきたことは間違いない。日本経済を活性化させ続けるため知財制度を発展させることは責務だ」

 --技監像をどう描いているか

 「役人はよく、何かのポストに就けたときに成し遂げたい事柄を考えている。だが私の場合、どちらかといえば調整型の仕事をずっと担当してきたからなのかもしれないが、そういう考え方はあまり持っていないようだ」

 --何か具体的な施策を考えるのとは違うと

 「重要視したいことは、後任にずっと継続されるような施策を立てていくこと。新たな取り組みを単なる打ち上げ花火ではなく、永続的なものにすること。それが私の役目かもしれないし、私の技監としての姿だと思っている。例えば、PPH(特許審査ハイウエー=各国特許庁間で情報共有して審査を迅速化する制度で日本発案の施策)をサスティナブル(持続可能)なものとしていくには、ひと工夫、ふた工夫しないとできない。持続可能性を目指して、諸施策の改善、進展を図っていきたい」

 --現在直面する課題もある

 「柱として、まずは3点ある。1つは中小企業・ベンチャー・大学関係への支援だ。彼らが発明をどう産み、適切なIP(知財)ポートフォリオをいかに作っていけるようにするか。2つ目はIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)など新技術への対応。関連特許出願は今も増加している。IoTとAIの性質の違いを明確に認識し適切に対応していきたい。3つ目は国際関係。日本企業が外国出願する際に安定して権利を得られるよう、いかにサポートしていくかは最重要課題だ」

 --新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内特許出願件数が急減した

 「(急減後、回復傾向を見せた)主要国に比べると、日本の方が厳しい。ここは非常に危惧しており、われわれとしては支援できることはしていきたい。ただ今後どうなるかは、正直、よく分からない。盛り返す可能性も十分あると思う。海外ももう少し長い目で見る必要がある」(知財情報&戦略システム 中岡浩)=次回は9月16日に掲載予定

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