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総裁選共同記者会見詳報(7)石破氏「私はかつて手が挙がらなくなるまで質問は受け付けた」

 --首相となった場合の記者会見はどのように行うべきだと考えるか。定例化したり、かつての首相ぶら下がりのようなものを再開したり、発信や説明責任を充実させる考えはあるか。安倍政権の国会対応をどう評価し、国会出席の要求にどう応えるか。また自身が政権に反対する声にどのように向き合う気か

 石破氏「私はかつて防衛庁長官、防衛相、農林水産相、地方創生担当相、幹事長、政調会長等々務めておりましたときに、手が挙がらなくなるまで質問は受け付けました。それはそういうものだと思っています。つまり、メディアは国民を代表して聞いているのであって国民が聞いていることには、可能な限り答えなければいけない。それが政治の義務だと思っています。

 そして、政治は結果責任ですから、納得したね、わかったね、という方が5割を超えていかなければ、それはならないと思っています。わかっていただけないとすれば、それはメディアの責任でも何でもない、それはこちらの責任です。

 総理会見というのは内閣記者会はどのようにお考えになるかということでありますが、そこにおいてできるだけ多くのメディアのご質問にはお答えをしたいというふうに考えております。

 国会対応についてでありますが、それは質問する野党議員の後ろには、それぞれ10何万人の支持者がいるのです。私は若い頃、国会対策委員に属していましたが、野党に対決法案や予算案で賛成してもらうことは無理でも納得はしてもらえ、いうふうに厳しく指導を受けました。そういうものだと思っています。頼むからわかってくださいという姿勢を持たねばならない。

 一方において、総理の出席時間が他国に比べて非常に長いということは事実なのです。そして、政府委員の答弁というのも今のままでいいかというと私はそうは思わない。総理が答えなければいけないこと、それを野党もきちんと厳選をしてもらいたい。いたずらに総理の時間を拘束する、それがあってはならないが、答えねばならないことにはきちんと答えるということだと思う。そこは国会の良識であり野党の良識であり、問われているのは、野党も問われている。それに誠実に答えるのがわれわれの責任です」

 菅氏「まず総理大臣の国会出席でありますけれども、これは今、石破議員からもお話がありましたけども、世界と比べて圧倒的に日本の総理大臣は国会に出席する時間が多いです。時間がそれだけ取られてますから、国会出席というのはやはり大事なところで、限定して私は行われるべきだというふうに思います。

 そうしないとなかなかこの行政の責任者としての責任を果たせない。海外との電話会談とかさまざまな問題あります。じゃあ最初安倍政権が発足をした際に、やはり予算委員会で予定以上に引っ張られまして、決められていた首脳同士の電話ができなくなってしまうとか、いろんなことがありました。そして私自身、調べましたら、G7(先進7カ国)の国でこんなに総理大臣が国会に縛られている国はないということをまずご理解をいただきたいというふうに思ってます。

 総理の会見ですけれども、それについては、官房長官、朝夕これ2回会見するんです。これも世界のG7の中で幹部閣僚が記者会見しているのはたった1カ国、それも30分ぐらい週に1回です。30分ぐらいで終わってます。

 そういう面において、日本はこの内閣として、内閣の方針というのはこれ官房長官が責任もって説明するわけでありますから、こうしたことをしっかりと私は進めていく、そのことが大事だというふうに思います」

 岸田氏「まず記者会見についてですが、手が挙がらなくなるまで質問に応える、こういった姿勢はもちろん大事だと思います。ただ現実問題、この総理大臣の日程や物理的な問題で限界があるというのも事実だと思います。だから逆に言いますと、日程や物理的なこの制限について、できるだけ引っかからないように、余裕をもともと取るように努力をして、できるだけ多くの質問に答えていくような姿勢をしっかり示す。これが最も現実的な対応なのではないかなと思います。

 それから国会への出席ですが、私は国会対策委員長やりましたが、国会での大臣の出席、総理の出席、これは国会のやりとりの中で、さまざまな要素の結果、この決まるものではあります。しかし先ほど来、お二人が発言したように、間違いなく日本の総理大臣、日本の外相の、国会への拘束時間は先進国の中では、けた外れの数字だということは事実です。

 私はフランスや英国の外相と、国会の答弁について話し合ったことがありますが、向こうから冗談で「頼むからそんな話は自分たちの国でしないでくれ」と言われるぐらいですね、全然状況が違う、そういった思い出があります。できる限り答弁は答弁に努めなければいけませんが、あのバランスというものがあると思います。

 それから反対する声にどう応えるかこういったことですがこれはまさにでね、先ほども所信で言いました聞く力だと思います。しっかり聞くことによって、それをどう理解し、どう活用するか、これは別に賛成するってわけじゃないわけです。しっかりとした意見を聞くことによって、自分のポジションを考え、そしてどうあるべきか考える。聞くということは、これ基本的に大事なことであり、それをどう活用するか、どう発展させるかは政治家の力量が問われるということなんではないかと思います。以上です」

=(8)に続く

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