数字から見えるちば

牛肉の産出金額成長率全国1位 「チバザビーフ」展開

 千葉県はわが国の酪農発祥の地(安房国嶺岡、現南房総市)であり、平成30年の畜産の産出額は1287億円で、全国5位となっている。内訳をみると、豚が458億円(全国3位)、鶏卵が341億円(全国2位)、乳牛が274億円(全国4位)といずれも上位を占めているが、牛肉は98億円で全国20位にとどまっている。

 しかし、県内の牛肉産出額を直近10年間でみると、平成20年の48億円から同30年には98億円にまで増加しており、その成長率は204%と全国1位となっている。

 その要因を価格面と数量面に分けてみてみよう。まず価格面では、千葉県産を含む国産牛肉の平均価格はこの10年間で約4割上昇している。日本人の肉食化の高まりや外国人観光客の国産牛肉志向などが、その背景にある。

 一方、数量面では、牛の飼育数は全国では生産者の高齢化などによって30年までの10年間で約7%減少しているのに対して、千葉県では生産者の法人化などによって大規模生産者が増えた効果で35%増加している。また肉質も、以前は余った乳牛を食肉化することが多かったが、近年は若手生産者が、雌の乳牛と雄の和牛から生まれる交雑牛を増やすことで、肉質(食肉のランク)が大幅に向上しているもようだ。

 県産牛肉の知名度アップに県も手をこまねいてはいない。県産牛肉のうち、肉質が一定以上のものを「うまい牛肉チバザビーフ」と銘打って、生産者や出荷団体などとの連携の下で統一ブランド化を進めてきた。

 成長著しい千葉県の牛畜業だが、現在は、新型コロナウイルス感染症拡大で苦境に立たされている。訪日外国人客の減少や外食控えなどの影響で東京食肉市場の5月の枝肉相場は、和牛(A4)が1キログラム当たり前年比約3割減となっており、赤字に陥る生産者も出てきている。

 そこで県では、県産牛肉を使った商品を購入した人の中から、抽選で1万円相当の牛肉が当たる「千葉県産牛肉応援キャンペーン」を開催中だ。また、8月27日からは抽選で県民の県内宿泊料金を一人当たり最大5千円キャッシュバックする「ディスカバー千葉」キャンペーンも始まった。

 折しも食欲の秋真っただ中である。県内には牛肉との相性が良い、ブドウや梨などの農産物やクラフトワイン・地ビールのブルワリーも多い。この機会に県内各地を巡りつつ、おいしいお酒と「チバザビーフ」を満喫してはどうだろうか。(ちばぎん総研研究員 長島裕之)

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