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福島視察の菅首相「飲めるの?」 多核種除去設備で処理した汚染水を渡され

 菅義偉(すが・よしひで)首相は26日、首相就任後初の出張先として福島県を訪れ、東京電力福島第1原発、東日本大震災・原子力災害伝承館、福島県立ふたば未来学園を視察した。

 福島第1原発では、高台で東京電力関係者から説明を受けながら、廃炉作業が進んでいる1~4号機について説明を受けた。その際、関係者から汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理した水のサンプルを手渡され、希釈すれば飲むことができるとの説明を受けた。首相は「飲めるの?」と聞き返していた。

 その後、首相は災害を後世に伝えるための伝承館へ移動。20日にオープンしたばかりの施設には一般客もおり、新首相を一目見ようと1階エントランスに集まっていた。伝承館に到着した首相は、高村昇館長の出迎えを受け、展示物を見て回った。

 最後に訪れたふたば未来学園では、代表生徒3人らと懇談した。首相は代表生徒によるプレゼンテーションを、時折、笑顔を浮かべながら真剣に聞き入っていた。記念写真撮影後、首相は生徒らとグータッチ。校舎を出ると、待ち構えていた他の生徒から大きな歓声が起こり、首相は満面の笑顔で応えていた。

 全行程を終え、記者団の取材に応じた首相は「復興と廃炉の両立のために国が前面に出てしっかり取り組んでいきたい」と強調した。生徒との懇談については「復興再生を担う人材や世界のリーダーになるような人が生まれるんじゃないかな、という予感を持った。期待をしている」と述べた。(佐藤侑希)

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