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コロナ上積み数兆円、インフル同時流行見極め 厚労省概算要求

 厚生労働省の令和3年度予算の概要要求は、一般会計で前年度当初予算比34億円増の32兆9895億円と過去最大となった。これに新型コロナウイルス感染症に対応する経費が上乗せされる。金額は数兆円規模になる見通し。秋から冬にかけて予想されるインフルエンザとの同時流行の状況などを見極めた上で、年末の予算編成過程で決定する。

 コロナ対策では、各都道府県が病床の確保や応援医師の派遣、軽症者の療養体制の確保などを着実に進めるための、緊急包括支援交付金による医療提供体制の強化を盛り込んだ。

 政府は感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指しており、感染者の早期発見と隔離を徹底させながら経済を回していく方針。そのためにもPCR検査や抗原検査を拡充させる計画で、検査センターの設置推進、民間検査機関の活用などの予算を求めている。保健所機能の強化やワクチンの購入費も盛り込んだ。いずれも金額を示さない「事項要求」にとどめている。

 菅義偉(すが・よしひで)首相が検討を指示している不妊治療の保険適用については、実現するまでの間、既存の助成制度の拡充で対応する。前年度と同じ151億円を要求しており、上乗せ分は財源も含め予算編成過程で検討する。

 一般会計の要求額32兆9895億円のうち、大部分を占める年金や医療などの社会保障経費は、前年度と同じ30兆8562億円。高齢化に伴う「自然増」は見通すのが困難として、明示しなかった。

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