全国農業協同組合中央会(JA全中)会長・中家徹さん(70)
--8月の通常総会で会長に再任された。抱負は
「元気な農業、元気な農村をどう作っていくかが最大の柱だと認識している。農協運動に関わってざっと半世紀になるが、その集大成として全力で取り組む。平成の時代に日本の農業は右肩下がりで、弱体化した。令和の時代こそは右肩上がりにしていかなければならない」
--第2次安倍晋三政権による農政への評価は
「農林水産物・食品の輸出を伸ばしたのは成果だ。日本は人口減少社会に入っており、農産物の需要や販路を拡大する上で輸出は一つの突破口となる。他方、農協改革をめぐっては、組織の中ではいろんな意見があったのは事実だ。現場でも大変な苦労があったと思う。JAグループとしては自己改革に取り組んでいるところだ」
--新たに発足した菅義偉政権での農政への期待は
「菅氏は秋田県の農家の長男でもあり、農業や地方への造詣は深い。政府が3月に決定した新たな食料・農業・農村基本計画にはJAグループの考えが相当盛り込まれた。基本計画の着実な実践をお願いしたい」
--2019年度のカロリーベースの食料自給率は38%だ
「依然として低い。従来は、政府が食料自給率の目標を設定しても、なぜ達成できなかったのかについての検証が不十分だったと感じている。また、食料自給率は消費者も含めて国民全体の問題であるとの意識を高めて、国産農産物の消費拡大などを促していく必要がある」
--政府は「食料安全保障の確立」を掲げている
「新型コロナウイルス感染拡大に関わらず、近年の食料安保上のリスクの高まりには強い危機意識を持っている。具体的には、低い食料自給率、農業の生産基盤の弱体化、自然災害の多発、世界の人口増加、国際化の進展の5つが挙げられる。国民が必要とし消費するものはその国でつくる『国消国産』を進めていく必要がある」
【プロフィル】中家徹
なかや・とおる 中央協同組合学園卒。JA紀南組合長などをへて、2014年にJA全中副会長。17年8月から現職。JA和歌山中央会会長も兼ねる。70歳。和歌山県出身。