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持続可能な資本主義に転換 経団連が新成長戦略

 経団連が11月をめどに、菅義偉(すが・よしひで)政権の新型コロナウイルス感染拡大収束後の経済政策への反映を目指す新成長戦略を取りまとめることが9日、分かった。企業が社会的な課題を解決することで収益をあげ、存続、発展していくことを経営の根幹に据え、持続可能性を重視する「サステナブル資本主義」への転換を強く打ち出す。社会のデジタル化や気候変動対策技術などを、新たな成長分野と位置付ける。

 経団連は今回の新成長戦略を中西宏明会長体制の理念を示す“ビジョン”と位置付ける。単なる政策提言集で終わらせず、企業経営者らの大幅な意識改革を図るための指針とする。

 新成長戦略が特に重視するのは、貧困の撲滅や気候変動対策など、国連が決議した「持続可能な開発目標(SDGs)」を企業経営に取り込むことだ。気候変動問題の解消につながる環境対策事業を新たな成長分野とする「グリーングロース」への取り組みなどを強化。二酸化炭素(CO2)を有用な資源に変えたり、地中に封じ込めたりする温室効果ガス対策技術の開発や事業化を狙う。

 また、生産性向上のためデジタル技術を活用した経営刷新であるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進。格差や地方経済の低迷、少子化などの課題の解決を企業収益につなげることも盛り込む。

 新成長戦略は、中西会長が民間議員として参加する政府の経済財政諮問会議などでの積極的な提案・提言などを通じ、菅政権の経済政策となる「スガノミクス」の中核戦略への反映につなげる。

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