海外情勢

米、北朝鮮の新型ミサイルに危機感

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制が10日の朝鮮労働党創建75年を記念する軍事パレードで、米本土を射程に収める新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)や、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を公開するかに注目していた。

 新型のICBMやSLBMとみられる弾道ミサイルが公開されたことで、北朝鮮が2018年6月にシンガポールで行われた初の米朝首脳会談での非核化合意をよそに、米本土に直接の脅威となる核弾頭の運搬システムを着々と開発してきた事実を米国に突きつけた。米国内で危機感が高まるのは確実だ。

 一方で米政権は、北朝鮮が核実験とICBM発射の自制を継続する限りは事態を静観する構えだ。米専門家らの間では、北朝鮮は「11月の米大統領選が終わり、新政権が発足するまでは核実験やミサイル発射は行わない」(政策研究機関「ヘリテージ財団」のブルース・クリングナー上級研究員)との見方が支配的だ。

 ナッパー国務次官補代理(日本・韓国担当)は8日、政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)での講演で「対話の扉は開き続けている」と述べ、北朝鮮に非核化協議の再開を呼びかけつつ圧力を堅持する立場を強調した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus