日本の原子力政策は、ウラン資源を有効に使う核燃料サイクルを基本とし、同工場はそのサイクルをまわすために不可欠な中核的な施設。増田社長は「エネルギーの多様化のためにも核燃料サイクルを確立することが重要。その責務をしっかり果たしていく」と力を込めた。
【使用済み核燃料再処理工場】 原発の使用済み核燃料から燃え残りのウランや新たに生まれたプルトニウムを取り出し、原発の燃料として使えるようにする施設。再利用できない核分裂生成物(高レベル放射性廃棄物)はガラス固化体にし、地下深く最終処分するまでの30-50年間、貯蔵保管する。完成すれば年800トンの燃料処理能力を持つ。平成5年に着工し、当初は9年の完成予定だったが、トラブルや東京電力福島第1原発事故の影響などで完成が25回延期された。
【記者の独り言】 平成5年の着工から数えて27年。この間、試験運転中のトラブルやヒューマンエラーで完成延期を繰り返してきた再処理工場が操業に向けて大きな節目を迎える。度重なる工程の見直しは県民、村民の不信感を増長させてきた。そのことを事業者は肝に銘じる必要がある。原燃は今度こそ延期が単なる「目標」に終わらないよう一層の使命感と責任感を持って取り組んでほしい。(福田徳行)