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思いやり予算、1年延長後に新協定 政府が米に提案へ

 政府は在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を定める特別協定の改定交渉で、米政府に思いやり予算の枠組みの変革を提案する検討に入った。米大統領選の影響などで時間に余裕がないため、来年度の1年間は現行の特別協定を暫定延長することで年内に妥結。来年度に改定交渉を行い、再来年度から5年間の思いやり予算は、対象とする事業内容を地元に配慮したものに見直すなど、枠組みを変革した新協定で合意する2段階を想定している。

 思いやり予算は日米両政府が5年ごとに特別協定を結び、日本側の経費負担を定める。現行協定は来年3月に期限が切れ、新協定の内容を来年度予算に盛り込むには今年12月の予算編成までに新協定で合意し、来年3月までに国会承認を得られるよう今夏から交渉に入るのが理想的だった。

 新型コロナウイルスと米大統領選の影響で交渉に入れない状況が続き、ようやく週内にも初の事前協議をテレビ会議で行う。事前協議は日米双方が交渉方針を決める前に安全保障環境の認識をすり合わせるもので、11月3日の米大統領選後に実質的な協議に移る。

 仮に大統領選でトランプ大統領が再選して同氏が勢いづき、持論の大幅な負担増を日本側に求めた場合は協議が難航し、12月の予算編成までの短期間で決着させようとすれば、日米同盟に混乱ときしみが生じる恐れがある。

 トランプ氏の負担増圧力により、在韓米軍駐留経費の負担割合を規定する協定が昨年末に期限が切れた後も妥結していない米韓交渉があしき先例で、日米同盟のきしみは中国が威嚇と挑発でつけ入る隙にもなる。

 一方、バイデン前副大統領が当選すると、来年1月の就任まで本格的な協議は行えず、予算編成には間に合わない。

 政府はこうした状況を踏まえ、現行協定の内容を変えずに1年延長を提案する見通し。本格的な改定交渉は来年度に先送りし、大幅な負担増は拒否しつつ、思いやり予算の枠組みの変革を提起。変革では在日米軍施設を抱える自治体と地域住民に配慮した取り組みを反映させ、米軍の要望を満たすことが中心だった思いやり予算の新機軸とする。

     ◇

 思いやり予算 昭和53年度から日米地位協定の枠内で在日米軍の基地従業員の福利厚生費などを負担し、54年度から隊舎・住宅などの提供施設整備費を追加。62年度以降は特別協定を結び、地位協定上は米側が支払うべき従業員の基本給、光熱水費も負担する。

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