生かせ!知財ビジネス

高い解析力で公平・公正見極める

 VALUENEX・中村達生社長

 独自のアルゴリズム(解を得る手順)・人工知能(AI)技術を駆使した情報解析ソリューションを提供するVALUENEX(バリューネックス、東京都文京区)。知財発のマザーズ上場企業となって2年、中村達生社長に現状と今後の展開について聞いた。

 --コロナ禍の中、業務活動はどうか

 「欧米のオフィスも含め、リモートワークは浸透している。東京本社も出社は個人の自由とする勤務形態を以前から敷いていた。上場後、米国法人は陣容を拡大し、数人から現在は15人に増えた。米国トップ大学、大学院から人材を迎え、ジーニアス(天才的)な能力に驚いている」

 --特許情報の世界を精緻な俯瞰(ふかん)解析図で正確に可視化するツールが知財や開発部門で評価を得てきたが

 「昨年末、俯瞰解析図からシナリオを読み取るための支援ツールを開発した。ツールが俯瞰解析図に配置されたデータのつながりの位置を示唆し、裏側にある意味の把握を支援する。つまり、ここで言うシナリオは企業で言う戦略シナリオとは違うので誤解のないようにしたい。コンサルティングで使っていたが今後は一般提供を考えている。データは特許以外、消費者のレビューデータ、ニュースなど何でも使える。英語、中国語も使える」

 --業界での経験や技術的な知見が必要になるのでは

 「だからこそ開発した。わが社の目標は、誰もがデータから情報を得られるようにすることだ。ルート探索技術を文書解析に世界で初めて適用したことで実現できた」

 --さまざまなデータがあふれ手に入る時代になった

 「今後、最適化問題が浮上する。データベースが何かは重要ではなくなり、データの組み合わせ、絞り込みなどの解析手法が重要になる。問題は情報のゆがみだ。今、中国内のニュースや地方政府のリリースなどを集めてさまざまな俯瞰解析図を作っている。これらのデータに、例えば電気自動車(EV)技術に関するデータを混ぜて解析すると、自動車事故の領域の周辺が不自然な空白になる。これはデータが何か抜けていることを示している」

 --解析しないと気づかないわけだ。世の中には偏向した情報やフェイクニュースも流されている

 「このためビジョンとして『公平・公正』を掲げ、2030年までにブランド化したいと考えている。例えばわれわれが解析して評価したウェブサイトは公平・公正に情報を出している、というお墨付きを何かの方法で与える事業を構想している。これは重要な問題だ。ジャーナリズム自身にも必要なのでは」(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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