海外情勢

英、EUとのFTA交渉難航 打ち切り現実味

 【ストックホルム=板東和正】英政府は日本との経済連携協定(EPA)を、新型コロナウイルスの流行による景気低迷から抜け出す一歩にしたい考えだ。しかし、最大の貿易相手である欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉が決裂の危機にひんしており、経済のさらなる悪化が懸念されている。

 英政府とEUは21日、FTA交渉をロンドンで再開すると発表した。「公正な競争条件の確保」や「英周辺海域の漁業権」など難航している主要課題をめぐり、集中的に協議を進める方針だ。

 ジョンソン英首相はこれまで、EU側の姿勢に「根本的な変化」がなければ、交渉打ち切りに向けた準備を進める考えを示していた。交渉再開は「英、EU双方が主要課題で譲歩する姿勢を見せ始めたサイン」(貿易問題の専門家)との見方もあるが、英国のEU離脱に伴う激変緩和期間は今年末で終了するため、交渉日程は残り少ない。

 FTA交渉が妥結しないまま移行期間が終われば、英EU間の貿易には世界貿易機関(WTO)の規則に従って関税が発生し、欧州経済に悪影響を及ぼすことになる。

 新型コロナ流行の「第2波」が欧州に到来する中、英国は中部の主要都市マンチェスターやサウスヨークシャー州でパブやバーの休業を命じる方針を決めた。規制強化による景気低迷はほぼ確実で、FTA交渉決裂が重なれば、英経済を立て直すのは困難になる恐れが指摘されている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus