海外情勢

14億人の内需掘り起こしへ 次期5カ年計画で模索する中国の経済自立

 【北京=三塚聖平】26日から北京で開かれる中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)では、今後5年間の中国経済の青写真をどう描くかが焦点だ。貿易摩擦からハイテク分野にまで広がった米国との対立によって輸出や投資の拡大が望めない中で、いかに中国経済を自立させるかがカギとなる。14億人もの人口が生む消費など国内需要の掘り起こしと、国内産業の強化を進めるための方策をどう打ち出すか、注目される。

 5中総会の主要議題は、2021~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」と、35年までの長期目標の策定だ。内容の一部は総会終了後に発表されるコミュニケで明らかにし、全体像は来年3月に開かれる全国人民代表大会(全人代)で表明される見通しだ。

 新5カ年計画策定のキーワードは「双循環(2つの循環)」で、習近平国家主席は「国内の大循環を主体とし、国内と国際の双循環が互いに促進し合う新たな発展の枠組み」と説明している。当面は対外貿易などで補完しつつ、中長期的には内需へのシフトを進めて経済自立を図る戦術だ。

 米中経済のデカップリング(切り離し)も現実味を帯びる中、内需とともに国内のサプライチェーン(供給網)や、産業技術も強化するとみられる。トランプ米政権の圧力で、海外からの調達に苦慮している半導体などの国産化に向けた組みも盛り込まれそうだ。

 今月22日に習氏は、自ら主宰した5カ年計画に関する会議で「複雑に錯綜(さくそう)する国際環境がもたらす新たな矛盾や挑戦を、深く認識しなければならない」と指示し、焦りもにじませた。

 もう一つの注目点は、国内総生産(GDP)の実質成長率をめぐる目標の設定だ。16~20年の現行の第13次5カ年計画では、年平均の成長率目標を「6・5%以上」に設定した。中国紙の中国経営報(電子版)は21~25年に「5%前後」に引き下げられるとの専門家の見方を伝えている。

 ただ、新型コロナウイルス問題などで経済の先行きが不透明だとして20年の成長率目標の設定は見送ったことを踏まえ、新5カ年計画でも具体的な目標の対外公表を見送るべきだとの声も党内部にあるという。

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