海外情勢

習主席「14億人の内需」世界にアピール 中国輸入博が開幕

 【上海=三塚聖平】各国企業が中国に売り込みたい商品を展示する大型見本市「中国国際輸入博覧会」が5日、上海で開幕した。世界の注目が米大統領選に集まる中で、習近平国家主席は14億の巨大な人口が生み出す消費力を海外にアピールし、存在感を誇示する狙いだ。欧米などに先駆けて新型コロナウイルス禍からの景気回復がいち早く進んでいる状況を誇示する思惑もありそうだ。

 「中国は14億の人口、4億人を超す中間所得層を持つ世界で最も潜在力がある大きな市場だ」

 習氏は、開幕前の4日夜に行われた式典で放映したビデオ演説で、自国の消費力をこう誇った。その上で、今後10年で中国による商品の輸入額が累計22兆ドル(約2300兆円)を超える見通しだと表明した。

 2018年に習氏の肝煎りで始まった輸入博は今年で3回目。中国最大級の総合見本市として、出展した外国企業は中国市場へ売り込みたい製品やサービスを展示するが、各地の地方政府幹部も訪れるため「中国で事業をスムーズに進める上で欠かせない人間関係を築くことができる」(日系企業幹部)という。

 今年は感染対策で入場者数を定員の30%以下に制限し、中国国内からの参加者にもPCR検査を義務付けた。昨年の開幕式にはマクロン仏大統領も出席したが、今年は海外からの参加者は一部にとどまったとみられる。中国在住の日系企業幹部は「昨年は人が密集して人気ブースでは動くのも大変だったほどだが、今年は思った以上に人が少ない」と印象を語った。

 一方、海外企業が中国市場にかける期待は大きい。感染再拡大に直面する欧米などでは景気回復が思うように進んでいないが、中国は20年7~9月期の実質国内総生産(GDP)が前年同期比4・9%増となるなどいち早く回復が進んでいるからだ。パナソニックの社内カンパニー「中国・北東アジア社」の本間哲朗社長は取材に、「新型コロナをいろいろな手段で制御できている中国が、経済面ではいち早く『離陸』しつつある」と手応えを語った。

 ただ、中国経済に不透明感を与えているのが米中関係だ。米大統領選が大接戦となっており、米国の対中政策が今後どのように変化するのか見通せない状況が当面続く可能性がある。本間氏は、今後の米中関係が中国事業に与える影響について「慎重に見ている」との認識を示した。

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