海外情勢

経済どうなる 脱炭素社会へ大型投資 労組強化なら日系企業に影響か

 【ワシントン=塩原永久】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、脱炭素社会の実現に大規模投資する方針だ。再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の市場拡大が見込まれる。大企業や富裕層への課税を強化するほか、働き手を保護する観点から労働規制を強化するともみられている。米国市場で事業展開する日本企業に影響が出る可能性がある。

 バイデン氏は、太陽光や風力発電などのクリーンエネルギーを振興するため、4年で2兆ドル(約210兆円)の資金を投入する。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に「就任初日に復帰する」としている。

 原油や天然ガス産業を重視していたトランプ政権からは大きな転換となる。

 日系自動車メーカーの米国市場戦略に関係しそうなのが、電気自動車(EV)などの環境対応車の支援策だ。連邦政府による調達を後押しするほか、EV充電施設を50万カ所設けるインフラ整備を急ぎ、米国市場のEV移行を促しそうだ。

 税制面ではトランプ政権の減税路線を転換。法人税の税率を21%から28%に引き上げる方針だ。

 一方、バイデン氏は労働者保護を掲げ、最低賃金の引き上げや、労働組合の基盤強化を取り組むべき課題に位置づけている。

 2026年までに連邦最低賃金を時給15ドルに引き上げるのが目標。雇用市場全般に賃金上昇が波及すれば人件費上昇につながる。

 労働組合の関連法改正にも意欲を示している。労組を組織しやすくするような制度改正や、労働者の権利強化を推し進める可能性がある。実現すれば、米国に拠点を置いて事業を展開する日系企業を含む外国企業にも影響が及びそうだ。

 国内の製造業を手厚く保護する姿勢は、トランプ政権と同じだ。4年で4千億ドルを投じて米国製品の調達促進策「バイ・アメリカン」を推し進める。

 通商政策では、中国などに不公正貿易の是正を求めたり、貿易相手の為替操作に目を光らせる構えだ。ただ、就任当初の政権運営は「内政重視で進める」と指摘されており、日本などとの貿易交渉の再開は、動き出しが鈍そうだ。

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