トランプ陣営は「不正があった」として週明けから訴訟を始める方針だ。黒人女性のアン・メシアイさん（２８）は、「法廷闘争はない方がいいけれど、それも民主主義の一部」と冷静に受け止める。大学生のダニエル・ボビンソンさん（２２）は「得票差は大きくなると思う。法廷闘争は時間の無駄じゃないかな。早く敗北を認めてほしい」と話した。
◆激戦州
バイデン氏の「勝利」を決定づけた激戦州、東部ペンシルベニア州の最大都市フィラデルフィアでは、若者たちが路上で音楽に合わせてダンスするなどお祭りのような雰囲気となった。
フィラデルフィアの開票所前では、トランプ氏とバイデン氏の支持者らが、鉄柵越しに対峙（たいじ）。バイデン氏の支持者らは「正義がすべてだ！」「トランプ氏は負けを認めろ」と声を張り上げると、トランプ氏の支持者らは「票を盗むな！」「不正だ」と怒号を上げて応酬した。トランプ氏の支持者がバイデン派の群衆に入り、もみくちゃになる場面もあった。
フィラデルフィアに住むソフトウエア会社勤務のジョン・コーネンさん（３７）は、「トランプ氏の地滑り的勝利」とのプラカードを持って開票所前に現れ、「バイデン氏の票が急激に増えたのは怪しい。私たちが寝ているうちに操作されたのではないか。最高裁の判断がでるまで、バイデン氏の勝利とはいえない」と不満を口にした。
また、トランプ氏の顧問弁護士であるジュリアーニ元ニューヨーク市長は７日、フィラデルフィア郊外で会見し、「亡くなった人の票を数えている」などと主張し、法廷闘争を続ける構えを示した。
会見場の近くには、数十人のトランプ氏の支持者が集まり、機械工の男性（４０）は「主要メディアはこれまでも間違ってきたので、信用していない。トランプ氏の選挙活動には熱気があるが、バイデン氏は人気はない。なぜ、バイデン氏が勝つのだ？ 勝利は受け入れない」と語気を強めた。