海外情勢

バイデン米次期政権の首席補佐官、来週の政権移行手続き開始を要求

 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領の大統領首席補佐官に決まったクレイン氏は15日、NBCテレビの番組に出演し、政権移行手続きを所管する一般調達局(GSA)がバイデン氏を勝者と認定せず、引き継ぎの実務が開始されていない問題で、「今週には(移行手続き開始のため)政府の当選認定が本当に必要だ」と訴えた。

 政権移行をめぐっては、トランプ大統領が「選挙に不正がある」として敗北を受け入れず、訴訟を展開しているため、バイデン氏は情報機関からの安全保障をめぐる報告も受けられない状態にある。

 クレイン氏は米国内で新型コロナウイルスの感染者数が再び爆発的に増加している中、バイデン陣営の政権移行チームが現政権の新型コロナ関連の当局者とも面会できていないと指摘した上で、近く実用化が期待されるワクチンの配布などを円滑に進めるためにも十分な引き継ぎが必要だと強調した。

 また、クレイン氏は、政権移行チームが今週、ワクチン開発を進めているファイザーなど製薬各社の関係者と面会する見通しであると明らかにした。

 クレイン氏は一方、トランプ氏がツイッターで同日、バイデン氏の「勝利」に初言及する一方で引き続き徹底抗戦の構えを示したことに関し「バイデン氏が大統領であるかそうでないかを決めるのは米国民だ。トランプ氏のツイートではない」と切り捨てた。

 一方、トランプ氏は15日、ツイッターで「今年の選挙が憲法違反であり、選挙結果を改変するために数々の許し難いことを行ったことを示す、複数の大型訴訟を近く起こす」と書き込み、訴訟攻勢を強める構えを示した。

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