海外情勢

中国、7カ月連続で政策金利据え置き 利下げに慎重姿勢

 【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は20日、事実上の政策金利と位置付ける金融機関の貸出金利の目安となるローンプライムレート(LPR)の1年物を3・85%のままで据え置くと発表した。据え置きは7カ月連続で、個人向け住宅ローン金利と関係する5年物についても4・65%のままとした。新型コロナウイルスの直撃による景気悪化に歯止めが掛かる中で、中国当局は金融緩和による副作用への警戒を強めている。

 市場関係者も据え置きを見込んでいた。中国メディアによると、これまでに人民銀幹部は「長期、短期、中期的に見て、銀行システムの流動性は合理的で十分なレベルを保っている」との認識を示しており、さらなる利下げには慎重な姿勢を見せている。

 新型コロナの流行を受け、人民銀は中小企業の資金繰り支援のため2月と4月にLPRの引き下げに動いている。それにより景気下支え効果が出た一方で、不動産市場の一部で過熱感が生じるなどバブル懸念も生じている。今年1~10月の不動産開発投資は前年同期比6・3%増で、伸び率は1~9月(5・6%)から広がり拡大傾向が続く。

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