海外情勢

APEC関連会合 菅首相「インド太平洋」でリーダーシップ強調

 菅義偉首相は20日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に伴い開催された各国ビジネスリーダーの会合で、ビデオ録画方式の演説を行った。新型コロナウイルス対策や自由貿易協定の拡大を訴え、「地域の繁栄の礎となるものが『自由で開かれたインド太平洋』であり、その実現にリーダーシップを発揮したい」と述べた。

 首相は演説で新型コロナの感染拡大により「内向き志向が強まりかねない」との懸念を表明。自由で公正な国際経済のルール作りが必要だと訴えた。

 その上で「WTO(世界貿易機関)改革を引き続き推進するとともに、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)の早期締結やTPP11(11カ国による環太平洋戦略的経済連携協定)の着実な実施や拡大により、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現を目指す」と強調した。

 また、新型コロナによりサプライチェーンの脆弱性が明らかになったと指摘。「日本企業の海外生産拠点の多元化推進、デジタル技術の活用、質の高いインフラの普及・実践により、サプライチェーンの強化を目指す」とした。

 首相が目指す2050年までの温室効果ガス実質ゼロに関しては「革新的なイノベーションや、エネルギー強靭性の向上を通じ、経済と環境の好循環を作り出していく」と述べた。政権の優先課題であるデジタル化にも触れ、デジタル庁の設置や規制の見直しに取り組むとした。

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