海外情勢

米主導のハイテク管理網に難題 中国の輸出管理法

 【ワシントン=塩原永久】中国の輸出管理法は、米国内で、米政府が強化したハイテク分野の輸出管理制度に対抗するものだと受け止められている。米次期大統領に就任する見通しとなったバイデン前副大統領は、対中政策で友好国との連携を重視する方針だが、中国の新法施行で、貿易管理をめぐる関係国との政策調整が難しくなる可能性がある。

 トランプ米政権は、ハイテク製品が中国で軍事転用されないよう、日欧などの関係国企業にも適用される輸出規制を強化してきた。

 中国の新法も適用範囲が海外企業に及ぶ内容で、米国では、「米政府による輸出管理の権限に対抗する目的がある」(米議会調査局)と分析されている。

 新法は中国の規制が及ぶ対象製品を定義する「用語に曖昧さが残されている」(米通商弁護士)と指摘されている。新法は懲罰的な措置も発動でき、米企業を含む海外企業は中国当局の判断次第で罰則を受けかねない側面がある。

 バイデン次期米政権は、同盟国や友好国と足並みをそろえて中国包囲網を築く意向とされる。関係国には「中国への対抗措置を一方的に実施したトランプ政権よりも、政策協調を強く迫られる可能性がある」(在ワシントン通商筋)との見方がある。ただ、中国との経済関係を維持したい国々に、米政府がどこまで厳しく政策面の同調を求められるかは不透明だ。中国は輸出管理法を駆使して、こうした国々に揺さぶりをかけることもできるためだ。

 中国は経済支援をてこに途上国への影響力拡大にも精力的だ。バイデン次期政権は、同盟国と連携して効果の高い貿易管理の国際枠組みを整備したり、途上国支援の強化を通じた「経済外交」を進めたりすることで、より多くの国を巻き込みながら、米国主導の国際秩序づくりを推し進めることが求められそうだ。

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